昔は終身雇用&年功序列なんて時代があったみたいですね。新卒で一度会社に入ってしまえば、不祥事さえ起こさなければ定年まで働けて、給料も勤続年数に比例してそれなりに上がっていく…羨ましい限りです。
グローバル化された現在の環境では、賃金の安い新興国の労働者が競争相手になってくるからなかなか給料は上がりません。企業の寿命は30年なんて言われることもありますが、変化の激しいこの時代では、いつ会社の業績が傾くかも分かりませんし、最悪の場合は倒産なんてこともあり得ます。
給料が上がらない、あるいは会社の業績があやしいとき、「転職」というキーワードが脳裏をよぎったことはありませんか?
実は、私はパソナキャリアを使って2回転職をしています。今回は、その体験談をご紹介します。
プロフィール
単に自己紹介させていただきます。
HN:ぽち2号
性別:男
年齢:37歳
学歴:大卒、電気通信情報コース専攻(偏差値50弱のところです)
社会人生活のスタート
就職活動の時は2004年で、ちょうどインターネットや携帯電話が急速に普及していく段階でした。この時23歳(大学で1年留年しています…)。「これからは情報通信の時代だ!」と考え、就職活動は通信業界にターゲットを絞りました。しかも、誰もが知っている有名企業を4社だけ。結果は…、全滅でした。
とは言え、働かないわけにはいかないので、ハローワークに行っていくつか求人情報を物色し、最初に面接を受けた地元の小さなシステム開発会社に就職し、社会人生活のスタートをきりました。
最初に就職した会社は、私を含めて12人の零細企業でした。主に、Microsoft Accessを使ったシステム開発と、.NET FrameworkとOracel Databaseを使ったシステム開発を手掛けている会社でした。社歴も比較的浅く、ベンチャー気質なところがあり、よくいえば実力主義の会社でした。実力があれば、いろいろな仕事にチャレンジさせてもらえるし、裁量も与えられ、基本給も毎年1~2万円ずつ上がっていきました。先輩社員を何人か抜いて、主任になることもできました。
一方で、ワンマン社長の弊害もあり、月給日給制なのに残業代が全く出ない、社長に楯ついた人はボーナスが大幅カット(私ではないですよw)、著作権への認識が甘くてWinny等で誰かがダウンロードしてきたMicrosoft Officeを使っていたり、アカデミックパッケージの開発ツールを商用利用していたり…
「こんな会社で一生働き続けることはできない!」と考えるようになり、2008年、27歳の時に転職を決意しました。
最初の転職活動
大学生の頃はマイナビやリクナビといった就活サイトには登録せず、企業のリクルートページから直接エントリーしていました。転職活動も同じように、知っている企業のウェブサイトにアクセスして、リクルートページをチェックすることから始めました。
ところが、新卒の募集は行っていても、中途採用の募集はほとんどの企業で行っていませんでした…
次にハローワークのウェブサイトを見てみましたが、条件が悪くて常に人手不足に陥っていると思われるような企業の募集ばかり…
そこで、エージェントを使った転職活動をしてみることにしました。いろいろネットで調べてみると、取扱求人数で1位、2位を争っているようなエージェントは、紹介される求人の当たり外れが激しいという評価が目立ちました。
そんな中、パソナキャリアは取扱求人数では見劣りするものの、外れだったという評価はほとんどなかったうえ、取扱求人に占めるIT系企業のウェイトが大きいとあったので、パソナキャリアに登録することにしました。
登録してから1週間後くらいにパソナキャリアとの面談に行ったのですが、事前にこれまでのキャリアを登録していたこともあり、私に合った求人情報をいくつか準備してくれていました。IT業界の人間でなくても知っているような有名企業、Windows Serverや.NET Frameworkを使ったシステム開発を中心としている会社、などなど。どれも非公開求人で、家に帰った後に企業のウェブサイトを見てみると、すべて「現在は中途採用の募集は行っておりません」となっていました。
予め準備していた履歴書と職務経歴書についても、面談時に「ここはこう直した方がいいですよ」というポイントを簡単に教えてもらえました。私は利用しませんでしたが、履歴書や職務経歴書の書き方の無料講習会も実施しているとのことでした。
その後もメールで随時求人情報を送っていただき、応募したい企業をパソナキャリアに伝えると、応募先企業との面接スケジュールの調整を行ってもらえました。
仕事を続けながらの転職活動だったので、同じ日に最大3つの面接をセッティングしていただけたりして、非常に助かりました。さすがに辞めるつもりの会社とはいえ、何度も何度も面接の度に休むわけにはいかないので…
パソナキャリアとの面談から約1ヶ月の間に10社ほど応募して、無事に転職先を見つけることが出来ました。パソナキャリアを利用して、本当によかったと思いました。
ところが…
転職先は250人ほどの会社でしたが、業績が好調で、事業拡大の為に人員増加を図っているというシステム開発会社でした。JavaやPHPを使ったシステム開発がメインでしたが、.NET Frameworkを使ったシステム開発をしていた零細企業を買収したばかりだそうで、これから.NET Frameworkにも力を入れていきたいという戦略を持っていました。私もその戦略の中核を担う人材として採用いただけたようです。残業代はきちんと支払われるし、ソフトウェアのライセンス管理はきちんとしているし、前の会社で不満に感じていた部分は解消されました。しかも、前の会社にはなかった退職金制度もある。
しかし、そう思っていられたのもつかの間。最初のボーナスだけではなく、2回目以降のボーナスも寸志程度しか支給されない…どうやら業績が思わしくないようでした。
一時的なものだろうと深く考えないようにしていたのですが、転職から2年が経過したくらいに緊急会議が開かれ、衝撃的な事実を知らされました。会社の運転資金がショートしそうだというのです。どうやら私が転職した直前から粉飾決済を行っていたらしく、自転車操業に陥っていたそうです。それも限界に達し、すでに自力再建は不可能な状況にまでなっていて、身売り先が見つからなければ破産するしかないとのことでした。
ほどなく外資系企業に事業譲渡されることになり、実質的に事業を継続できたのですが、労働条件は悪化してしまいました。外資系企業には夏冬のボーナスというものが理解できないようで、退職金制度と併せて廃止を求められていました。事業譲渡前の交渉で、現状維持として寸志程度のボーナス支給については継続の約束を取り付けることができましたが、退職金制度の廃止は決定。「現状維持」という言葉も言い換えると、会社の業績が上向いてもそれ以上のボーナスは出ないし、月給もボーナスを前提とした低い水準のままということ。事業譲渡の交渉が決裂して路頭に迷う人が出るのを防ぐための苦渋の決断とはいえ、私にとっては受け入れがたい条件でした。この時、再度転職することを決意しました。2015年、34歳のときです。
この一件で学んだことは、パソナキャリアから提供される情報は信頼性の高いものではないということでした。よく言えば公平中立ですが、企業が「業績好調」だと言えば、パソナキャリアは求職者に対してそのまま「業績好調」と伝えてきます。
パソナキャリアは銀行でもなければ格付会社でもありませんので、独自に企業の業績や将来性を分析して、その情報を求職者に提供してくれることはないのです。業務内容や労働条件だけではなく、会社の業績や将来性についても自ら情報収集して、きちんと判断していかなければならないということを身に染みて理解しました。
2回目の転職活動
事業譲渡が完了してしばらくしたころ、ちょうど関わっていたプロジェクトの区切りがよくなったタイミングで転職活動をスタートしました。
前回の転職活動において偽りの情報を提供されて再度転職活動をすることになってしまいましたが、その原因は虚偽の申告をした企業であってパソナキャリアの問題ではないですし、スケジュール調整など便宜をはかっていただき、スムーズな転職活動ができた実績があったので、再度パソナキャリアに登録することにしました。
残念ながら前回の担当者はすでにパソナキャリアを退職されていましたが、2回目の担当者もとても親切に対応していただけました。前回の失敗を踏まえ、堅実な企業への転職を希望していると伝えると、旧財閥系の企業や政府系の企業などの求人情報を提供いただけました。
この時は4社ほど応募し、2週間程度で旧財閥系の2社から内定をいただき、今はそのうちの1社に勤めています。旧財閥系の企業ということもあり、前職に比べると生活や将来の安定性は確実にアップしたと思います。
今の年収は約500万円です(前職の就業システムにはもうアクセスできないのではっきりは分かりませんが、たぶん100万円くらいのアップかと思います)。基本給は前職と大差ありませんが、ボーナスがフルで出るようになった分は年収アップにつながりました。反面、1ヶ月の残業は平均10時間にも満たないため、残業手当は想定よりもだいぶ少ないです(自由に使える時間が増えたので、どちらかというと嬉しい誤算ではありますが…)。ちなみに、パソナキャリアによると、特別な実績や事情でもない限り、100万円以上の年収アップは相当難しいとのことでした。
2回目の転職活動では事業会社しか受けていなかったので、今の会社も事業会社です。自社ではシステム開発を行わないため、自社で使うシステムの開発はSIerに委託することになるのですが、社内SEとして自社とSIerとの間を取り持つのが私の仕事でした。プログラムを組んだりデータベースをいじるのが好きだったので、自分の手で何かを作り上げていく達成感のようなものは得られなくなってしまった、という部分では仕事の満足感は低下してしまった気がします。
また、私は基幹システムのリプレースのプロジェクトがスタートするというタイミングで今の会社に採用されたのですが、最近そのプロジェクトも無事にカットオーバーを迎えることができ、プロジェクトの解散に合わせて部署を異動することになってしまいました。会社にもよるかもしれませんが、事業会社ではいろいろな業務を経験するために3年程度で異動することが多いようです。私もそうなのですが、あまりいろいろな業務を転々としたくない人にとっては、事業会社での頻繁な異動はデメリットかもしれません。
とは言え、プログラムを組まないことや異動があることは募集要項であらかじめ分かっていたことですし、堅実な企業への転職という目的を考えると、結果は満足だったと言えます。
まとめ
2回の転職活動を通じて感じたパソナキャリアを利用してみて良かった点と悪かった点をまとめます。
パソナキャリアの良かった点
非公開求人を扱っていること
非公開求人は自力での転職活動ではエントリーのチャンスすらないので、これは大きなメリットだと思います。
求職者と求人情報のマッチングを行ってくれること
求職者に合った求人情報をスクリーニングしてくれるので、手当たりしだい求人情報を探す必要がありません。煩わしい企業探しやスケジュール調整からも解放され、現職の仕事や転職先候補の分析・評価といった作業に集中することができます。また、転職先候補が見つかれば、その企業がどんな人材を求めているのか想定し、それを踏まえた面接対策により多くの時間を割くことができます。
無料だということ
パソナキャリアの収入源は求人企業となるので、求職者の金銭的負担はありません。転職活動に失敗しても特に失うものはありませんし、自分には合わないと思ったらそのタイミングで利用を止めればいいだけです。
パソナキャリアの悪かった点
応募の順番をコントロールできないということ
2回目の転職のときに感じたことですが、応募の順番をコントロールできないというのはデメリットです。条件の良いところ悪いところ、面接回数の多いところ少ないところが、順不同に紹介されることになります。
旧財閥系の2社から内定をいただいたときには、一番条件のよかった政府系企業の選考も進んでいたのですが、内定受諾の回答期限は引き延ばしても最大で1週間だと言われ、政府系企業の選考結果を待つことができませんでした。旧財閥系の2社の内定を蹴って、100%とは言えない政府系企業の選考に賭ける決断をすることができず、政府系企業については途中で辞退させていただきました。
たらればの話をしてもしょうがないのですが、旧財閥系の2社の内定を蹴って政府系企業の選考を進めていたらどうなっていただろう?と考えることは今でもあります。
情報の信頼性については保証されないこと
前述のとおり、パソナキャリアから提供される情報は信頼性の高いものではありませんでした。よく言えば公平中立ですが、企業が「業績好調」だと言えば、パソナキャリアは求職者に対してそのまま「業績好調」と伝えてきます。
業務内容や労働条件だけではなく、会社の業績や将来性についても自ら情報収集して、きちんと判断していかなければ、不正確な情報に踊らされてしまう可能性があります。
転職を考えている方へ
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
この記事を読んでくださっている方は、転職を考えている方がほとんどだと思います。
ここで私からのアドバイス。転職活動をするなら、一度はパソナキャリアを利用してみてもいいかもしれません。あなたの転職活動が成功することを祈っています。
ちなみに、20代女性エンジニアの方がパソナキャリアを使って6社受けてなんと5社内定した体験談はこちらです。