プログラミング未経験の30代の発達障害の男がリスキルテクノロジー(旧リナックスアカデミー)で勉強しました。口コミと評判があまりないので、私が体験レビューをさせていただきます。
※2024年8月追記
公式ページを見て頂ければわかりますが、現在、未経験の個人向けのスクールは運営しておらず、法人向けの研修企業になっています。電話でも確認しました。
とはいえ、法人として導入を検討されている場合は、ある程度本記事は参考になるかもしれません。
もくじ
30代障害者だけどプログラミングを勉強したい!
私は、30代の男です。
2年ほど前に、当時勤めていた会社で仕事が上手くいかなくなり、てんかんになってしまい体を壊してしまいました。それが原因で2016年10月に退職した後に、今度は発達障害の診断を受け精神障害者になりました。さらに働く意欲が無くなってしまい、失業手当を貰いながらニートみたいな生活をしていました。その時に「このまま転職して会社員として、働いていけるのだろうか?」という不安が頭をよぎりました。それと同時に「時間や場所に縛られずに働くには、何を身につければ良いだろうか?」という発想に至りました。インターネットや雑誌などで調べていくうちに、プログラミングが出来るようになると働き方の選択肢が増え、私の人生をより良いものにしてくれるのではないかと考えたのが、勉強を始めたきっかけです。
どこで勉強をしたらいいの?
以前プログラミングではないものの、宅建の資格を取得する際オンラインで動画を見て学習をしていくスタイルだったのですが、途中で挫折しそうになったり、分からないところが直接聞き辛いという経験をしたので、「今度は同じミスをしたくない。」という思いが頭を駆け巡りました。
プログラミングスクールを調べていくうちにリナックスアカデミーの少人数制講義の存在を知りました。又同時期に同じような講義のスタイルを採用しているKENスクールというプログラミングスクールの存在も知りました。2017年6月にこの2つのスクールに見学に行き、担当者とお話しさせて頂きました。どちらも担当者の方の熱意が伝わりどちらにするか正直迷いました。。
リナックスアカデミーの方は講師の先生は現役のエンジニアなのはもちろん、教壇に上がるまでに5段階の採用プロセスを設けており、それを通過したエンジニアが講師として採用されます。それ故に講義の質が高いという事を担当者の方が仰っていました。その点を考慮し、リナックスアカデミーに入校することを決め、入門言語してJavaを勧められ2017年7月から1日8時間週5日(平日のみ)のペースで一部の講義の再受講を含め、計3ヶ月間程受講することにしました。
コース選びでも迷う
リナックスアカデミーには、様々なコースがあります。
まず大きく2つに分かれます。1つはスクールの名前にもなっているLinux関連のコースです。具体的にはLinuxのエンジニア及びネットワークエンジニアや同じくLinuxのセキュリティやクラウドのエンジニアを目指すコース、それに関連する資格を取るコースがあります。
もう1つはプログラミングのコースです。具体的にはJavaのプログラマーやデータベースのエンジニアを目指すコースやオープンソースデータベースを学ぶコース及びAndroidアプリのエンジニアや開発のプロを養成するコースがあります。
どのコースも興味深いものばかりでしたが、今回私は、Javaデータベースエンジニア+オープンソースDBコースというのを選びました。
高額の料金は4年の教育ローンで払うことに
Javaの基本や応用はもちろん、データベースの講義や実際にシステム開発の演習、資格対策までがついて998,000円(税込)でスクールと提携している銀行(りそな銀行)と4年の教育ローンを組みました。
20万円程を先に支払い残りを分割で4年掛けて返済していく形で、その費用は貯金を取り崩しました。今現在、毎月その教育ローンの返済をしています。値段は高価でしたが後で追加で申し込んだりすると割高になってしまうらしくて、このような形をとりました。
では、でコースの紹介と実際の授業の流れを紹介します。
Javaデータベースエンジニア+オープンソースDBコースの内容
Javaデータベースエンジニア+オープンソースDBコースではプログラミング言語のJavaを勉強してWebアプリケーションの作り方を学び最終的に1つのWebアプリケーションを作成します。
まず最初にコンピュータとは何か?といったネットワークの基礎から始まりました。講師が40代の女性の方だったのですが、熱心で分かりやすく丁寧に教えて下さったので、パソコンに関して知識が何もない私にとっては、とてもありがたかったです。
次にHTMLやCSS、JavaScriptといったプログラミング言語を用いてプログラミングの基礎的な部分を学習しました。ここでは講師が変わり、40代の男性の方になったのですが、この方も前述の女性の講師同様に熱心で分かりやすくて良かったです。この先生にプログラミングの基礎やJava、データベース、開発演習(ここでは流れの説明のみ)まで教えて頂いたのですが私自身いい人に巡り会えたなと今でも思っています。
その次に本題のJavaの学習に入ります。まず最初にJavaのベーシック(基礎)の講義があり、そこではJavaとはどういったプログラミング言語なのかから始まり、配列、分岐処理及び制御文、オブジェクト指向の概要、ラス定義などをこの段階で学びます。次にマスター(応用)の講義では、Webアプリケーションの概要、サーブレット、セッション管理、JSPなどを学びます。このマスターの最後の方で、それまでの復習を兼ねて各個人でテキストのサンプルコードを見ながら、サンプルのショッピングサイトを作ります。実際にサンプルのコードをコーディングして、うまく実行できた時は感動しました。
Javaのベーシックとマスターが終わったら、一旦Javaから離れて、データベースの講義に入ります。主に学んだ言語は、PostgreSQLです。ここではデータベースの概要から表の作成及び照会、データ操作、ユーザーの作成と権限、ユーザー定義の関数などについて学びました。
データベースの講義を終えたら開発演習と呼ばれる講義があり、何人かでチームを組み1つのWebアプリケーションを作ります。このアプリケーション作りは、企業で取り入られているシステム開発の工程に沿って進めていきます。ここでは、実際の開発現場とはどういったことが行われているかについて学びました。
資格対策の講義では、Javaの資格の1つであるOCJP silverの試験対策をしました。
実際の教室の様子は?
基本的には学校に通い、先生から授業を受けるスタイルです。
教室の広さは20名程で一杯になる広さで、パソコンは机に一台ずつノートパソコン(Lenovo ThinkPad)が用意されており、それを使って授業を行います。時間は週5日平日のみで朝9時~夕方5時までで、昼休憩が1時間ありました。またそれとは別に60分毎にトイレ休憩等として10分あって皆休息を取ったり、生徒同士でお話していました。
私の受講した時は14、15名程(全員男性で20代から40代)いました。内訳はプログラミング未経験者、IT企業に入社したばかりで会社の研修で参加している人、違う言語を学んだ経験がありJavaを本格的に学習したい人などです。
2ヶ月程一緒にいるので、親しい間柄とは言えなくてもある程度は仲良くなります。ですが途中から会社での実務に入ったり、通うのが面倒になったりして日に日に人数が少なくなり最終的には6名しか残りませんでした。
早起きし復習を頑張った
実際にスクールに通っていた時の生活リズムは、平日は、9時~17時まで授業、移動時間は1時間~1時間15分くらいでその時間は特に何もしませんでした。19時に帰宅し、21時までその日の復習なのですが、量が多く、睡眠時間や体調管理との兼ね合いで全てを完遂するのは私個人として無理だったので、就寝時間を早めて翌日朝早く起床し、7時から8時30分まで前の日の復習の続きをするというサイクルで平日は過ごしていました。(自宅を6時前に出て、7時頃に新宿に着くのでそこから近くのカフェで、その時間まで復習をしてました。ちなみにスクールは授業開始15分前ぐらいにならないと開けてくれませんでした。)
休日(土日祝・お盆休み)は少なくとも3時間は平日の復習でカバーしきれなかった部分を途中休憩を挟みながら勉強し、翌週の講義に備えていました。
受講してみて良くなかったところ
まず先に、あまり表に出にくい良くない点についてご説明しますね。
校舎が1つしかなく、選択肢がない
パンフレットでは、新宿と横浜に校舎があると記載がありましたが、実際には新宿にしか校舎がなく、神奈川県民は住んでいる場所によっては、若干通いづらく、通学する費用だけでも大分かかりました。
生徒間でのレベルの差が大きい
私のようなプログラミング未経験者からプログラマーとして働いている人または働いていた人までレベルの幅が大きく、私個人としては、レベル分けしてクラス編成して欲しかったと思いました。
授業のスピードが早い
1日8時間週5日で2ヶ月というカリキュラムの設定上仕方のない事なのですが、個人的には、講義のスピードを緩めても良いのではと思いながら講義を受けていました。
受講してみて良かったところ
もちろん良い部分もたくさんあります。
テキストの内容が分かりやすくて実践的
リナックスアカデミーの講師陣が、実際に実務などで使える部分をテキストに掲載しているので、本当に
エンジニアとして必要な知識を身につける事が出来ました。
実際のシステムの開発現場を体験できる。
開発演習と呼ばれる何人かでチームを組み、1つのWebアプリケーションを開発するカリキュラムがあり、実際の開発現場を体験できた点が受講して見て、良かったです。
便利なポイント制度がある
リナックスアカデミーでは入校時に支払った受講料の金額に応じてポイントが貯まるという独自の制度があり、そのポイントを講義の再受講や他のカリキュラムの受講料として使うことが出来るところが良かったです。実際に私も授業のスピードが早くて、途中で講義で習ったJavaのベーシックとマスターの内容を忘れてしまい、その部分を再受講という形で講義を受け直しました。その際の受講料はポイントで全て支払うことができました。実際に受け直して、Javaの知識が定着しているなと実感した時は改めて嬉しかったです。
誘惑される事なく勉強することができる
決められた勉強時間と通学して学ぶスタイルなので、自己管理能力が高くない自分に合っていました。おかげさまで最後まで続けていくことが出来ました。
講師との距離が近い
講師の人柄が良い方だったので、空き時間等に質問がし易かったりJavaの学習で必要なソフト(JavaとEclipse)を自分のノートパソコンにインストールするのを手伝ってもらったりとJavaの学習を大いに助けて頂きました。
スクールに就職相談の窓口がある
私は利用する事がなかったのですが、キャリアセンターと呼ばれる就職・転職をサポートするところがあり、生徒に対して求人を紹介してもらえたり、カウンセラーに就職相談したり出来ます。
受講を終えてみて
講義の満足度は、前述の結果を鑑みて10点満点中の8点でした。
以下のような方には、オススメすることができます。
- 経済的及び時間に余裕がある人
- 無職で、この機会に一念発起したい人
- 講義の時間だけでなく、空き時間にも自ら進んで勉強できる人
2つ目の「無職で、この機会に一念発起したい人」なのですが、私にとっての一念発起とはプログラミングを勉強して副業として稼げるようになる事なのですが、実際に受講して残念ながら今現在叶っていません。ですが、勉強の方は続けていて、叶うように頑張っていきたいと思います。
3ヶ月の受講を終えてみて、何とかネットワークの基礎からJavaを使ったWebアプリケーションの開発まで学ぶことが出来ました。今後は、自分でJavaでのWebアプリケーションの開発してみたり、スマホアプリ開発の本を読みながら、自ら進んでJavaに対する理解を深めていけたらと思います。
結局IT企業に就職できたのか?
スクール卒業後はIT企業に入社してその技能を生かしたいと思ったのですが、身体を壊してしまっているという事情があるので長時間勤務及び残業をして働くのは難しく、そういう事情を考慮してくれるという事で障害者雇用で募集しているIT企業を探していたのですが、どこも実務経験1~3年が必要で、未経験の私には無理でした。そこで考え方を変えて、IT企業で無くても自分の体調のことを理解してくれる障害者雇用の会社に就職し、そこで働きながらプログラミングの勉強を続けて、クラウドソーシングなどの副業をして稼ぐレベルまで持っていこうと思い、今に至ります。
これから自分と似た境遇の人が、プログラミングを学んで自分の人生を切り開いていき、幸せな日々を過ごしていけたら、嬉しいです。
迷っているなら、無料カウンセリングを受けてみるといいかもしれません。受講するにしろしないにしろ、業界のプロの方が相談に乗ってくれるので、何かしら今後の方向性のヒントになるはずです。相談に行っても無理にオススメされることは全然ないので、その場で決めずに家に帰ってゆっくり考えればいいと思います。